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(連載)WEBLOG「奏 KANADE」第2章「ヴァイオリンが作られるまで」VOL.1

カテゴリ:ブログ・日記

第2章 ヴァイオリンが作られるまで

(材料の厳選から始まるヴァイオリン作り)

ヴァイオリンが誕生して460年余りと言われますが、そのフォルムは誕生した時からおよそ現在と変わらぬ完全な形であったとされます。製作家たちは、受け継がれてきた伝統の工法で、数百年の寿命を持つと言われるヴァイオリンを生み出し続けているのです。
ヴァイオリンの材料には、表板にヨーロッパトウヒ(ドイツトウヒ)、一般にスプルースと呼ばれるマツ科の大木から切り出したもの、裏板、横板、スクロール(ネック)にイタヤカエデ(メープル)という美しい虎杢を持つカエデを使用するのがほとんどです。

一人の製作家が手作業で一つの楽器を作り上げることを守り続けてきたのがイタリアの製作工法です。現代のクレモナの製作家は勿論、多くの製作者が製作前にこだわるのが材料の選定です。良質の材料を求め、入手の努力を惜しまないことも、優秀な作者に必須条件であるかもしれません。かつてのクレモナの巨匠たちが、材料を求めて山の木を槌で叩いて探したなどという逸話もありますが、現在でも材料を取り扱う専門家や、一部の製作家で山を所有する方は材料の伐採から立会いをしていることも事実です。さすがに、材料の伐採から全ての製作家が行っていることはありませんが、良い材料を求めて、専門の取り扱い業者とコネクションを持ったり、情報を得るための努力をしているようです。材料は伐採してすぐに使用することは好まれません。何年間か太陽と大気にさらし、十分に乾燥させる必要があります。時間をかけ、自然に乾燥していくものが良いとされ、30年以上乾燥させてから使用するような工房もあります。次の世代のために、材料をストックして寝かせているファミリーも中にはあります。
人工的に乾燥させる技術もあるようですが、そうして出来上がる材料が量産系の楽器には用いられるものの、ほとんどイタリアでは聞くことはありません。材料の産地、生育環境による木目や密度には違いがあるため、ヴァイオリンの音にも大きく影響が出てきます。職人の確かな選定が必要とされることから、すでにこの段階にして、ヴァイオリンが手間ひまをかけられた貴重な楽器であることがわかります。

写真はフランスのPaul Blanchard (-1912)が所有していたスプルース、メイプルのヴァイオリン材で、100年以上前に伐採された貴重なもの。弊社の所有で、フランスのオークションにて落札。製作家であればこんな宝石のような価値のある材料で製作してみたいのでは。(弊社ではオールドヴァイオリンなどの修復に活用します。)

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